正確には自転車でポタったので歩いてはいません(笑)。数年前に近所に有るホルモン焼きの名店へ行く途中、ひょんな事で迷い込んだのが最初でした。その後で色々と調べてみると戦後までカフェ街として盛況であったらしい。
小田原宿の江戸見附跡。小田原城から国道1号線を東京方面へ15分ほど歩いたところにある。ここが抹香町の現代の入口、舗装されていない横道を進むと広い空間が現れる、暗渠された渋取川である。
渋取川に「川」という文字が付いているが、私見では1590年に豊臣秀吉が小田原攻めの際、北条氏が築かせた総溝「蓮上院土塁」の水堀の名残ではないかと考える。とりあえず史実の正確性は置いておいて、土着人類学的に考えると最前線の外の町という歴史だけは間違いない。400年以上前、この土地に住んでいた人達は北条の民、それとも切り捨てられた農民達か。
性欲を満たす遊郭を街の外側にという考え方はもちろんだが、切り捨てられた街、そんな歴史的背景が抹香町に興味を持つきっかけにもなったのも事実。
残念ながら数年前に散策した時にあったはずの建物がいくつか無くなっている様に感じたが、全体的には健在である。同じ様な趣味の方のページと同じ建物ばかりではあるが、自分のカメラで撮影する意義、これでいいのだ!
この建物は既に廃墟と化しているが、良く見ていると華やかりし時代の欲望が見えて来て楽しい(見えませんか?)。自転車で来ているので極上ホッピーは飲まずに帰路に付く。